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【必勝法10選】ピアノコンクール前に絶対にやること

コンクールん参加するとなれば、やはり良い結果を残したいと思うもの。実証済みの【必勝法10選】を是非お試しください!






1.人前で何度も演奏して「緊張する練習」をする

 ご家族、ご親戚やお友達など、いつも自分の周りにいる人以外の人達が演奏を聴いているとなれば、練習とは言え非常に緊張するかと思います。特に初めてのコンクール前などは、ただ普通に練習をしているだけでも突然コンクールのことを考え始めて「緊張状態」になることもあるでしょう。この「ミニコンサート」の参加メンバーは一人でも数人でもOKです。この様な「緊張する練習」を何度も何度も場所を代えたり参加メンバーを代えながら本番まで行いますと、段々「よい緊張の仕方」が分かるようになります。


 「よい緊張」には2種類あり、多分最初に学ぶであろう「よい緊張」とは

1.緊張してはいるが自分で緊張をコントロールできる程度リラックスしている状態

 演奏前に完全にリラックスすると気持ちは「上がる」のではなく「下がる」ことになり、演奏そのものがダレたパフォーマンスになりがちです。内輪のみのちょっとした集まりで演奏するのであればリラックスした状態で良いのですが、コンクールではある程度の緊張感が必要となります。緊張感があることで多少ミスをしても「良い結果を残したい!」というモチベーションを最後までキープすることが出来、またミスの後によくある投げやりな演奏にならず、最後まで集中力を保ちながら演奏を続けることも出来るでしょう。


 加えてもっと重要なことは演奏会場の雰囲気に緊張感を纏(まと)わせること。例えば、ヘラヘラうすら笑いを浮かべながら演奏をしているピアニストと、真剣な顔で椅子に座って深呼吸をし厳かに弾き始めるピアニストを比べた場合、後者のピアニストの方を聴く側としても真剣に聴こうと思う筈。演奏者の緊張感は審査員を始めとする聴衆にも伝わりますので、その双方の緊張感を利用して聴衆にも「真剣に聴こう」という態度を促し、その雰囲気を味方につけて演奏を作り上げることにもつながります。


 2つ目の「よい緊張」とは「緊張しない」ことではなく

2.極度の緊張状態下で起こるアドレナリン大放出の状態を使って実力以上の演奏をする

 これは「火事場の馬鹿力」と俗に呼ばれる現象で、切迫した状況下で普段であれば想像できないような力を無意識に発揮する例えです。演奏者自身が意図的にこの状態にまで緊張状態をもって行くにはかなりの場数を踏むことが必要となると思われますが、つまりは緊張したままの状態で自らをドンドン追い込み、ステージに上がった時に緊張状態を示す針が振り切れるくらいの限界にもっていき、その際に放出されるアドレナリンを使って実力以上の演奏をすることです。余りステージ経験が無い時に意図してこの状態にもっていくのは難しいかもしれませんが、その為にも常日頃から「お座敷が懸かればいつでもどこでも弾きに馳せ参じる」ことなどで極度の緊張状態を何度も体験し続けることが後の成功に繋がると思います。




2.演奏中に物を落としたり大きな音をたてる

 前述のお友達や知人を集めてのミニコンサートの演奏中に様々な妨害を子供さんに内緒で仕込んでおきます。例えば…


誰かに大きな音をたてて貰ったり、

カメラのフラッシュを「オン」にして撮影したり(勿論シャッター音付!)

携帯電話の着メロ(ちょっと笑えるような着メロだとベター)が鳴ったり、

ピアニストの視界に入る場所でゴソゴソと動いてもらったり

ヒソヒソ声(…でもしっかり聞こえる)でお話をしたり


 …兎に角「ピアニストの気を散らす」ことに心血を注いでください。ご本人様が演奏しながら「え?皆何やってるの?演奏聴いてないんだ。信じられない!!」とイライラさせることができれば大成功です。ま、後で説明をしてしっかり謝らなくてはなりませんが…(笑)

 

 コンクール本番ともなると、演奏中にも関わらずプログラムをガサガサ広げる人あり、小声で話をする人あり、物を落としたり大きな音をたててドアを開けて入ってくる人あり、他のお子さんが会場を走り回ることあり…と、聞いている親御様の方がイライラしてしまうことばかり。「全く理想的な環境で演奏できる可能性は皆無」くらいに思って、日頃から突然の物音や視界に入る気になる観客の動きなどに慣れておけば、本番で動揺することが回避できます。


 我が家では最初の数年間はこのトレーニングをコンクールやコンサート前には何らかの形で毎回実践しておりました。効果は実証済みです。どうか是非お試しください!




3.本番と同じお衣装を着て練習する

 お衣装を着て本番前に演奏することは皆さんされていると思いますが、靴も本番と同じものを履いて練習されることをお勧め致します。しっかりと確認をしておかなくてはならない点は…

  • (ドレスやズボンの裾が長い場合など)靴のヒールが引っかかって歩きにくくないか(ステージ上で転んでしまうと大変危険です!)

  • レースやネクタイなどの装飾が身体の動きの邪魔にならないか

  • 髪飾りやネックレスなどのアクセサリー系が邪魔にならないか

  • 首周りのタグがなどが首元に当たって気にならないか

  • 袖や肩回りがきつくないか。身体は自由に動くか。

  • パニエが入ったドレスを着る場合には椅子にシッカリと座ることが出来るか

  • 低くてもヒールがある靴を履く場合、ペダルを踏むのに違和感があったりペダルを踏み損ねたりしないか

 夏は会場が冷房ガンガンで寒く、冬も待合室が何故か寒く…ということもありましたので、いつも手袋や電気ハンドウォーマーなどを常に携帯していました。緊張すると手が冷たくなりがちですので、実際には会場の室温は余り関係なかったのかもしれませんが… 因みにそういった緊張からくる指の冷えはカイロなどを使ったとしても実際には余り温まらないことも多かったと記憶していますので、下記にその対処法もご紹介しております。


 「これだけ念入りに事前にチェックしたんだから大丈夫!」と思っていても予想外のことはよく起きました。履きなれない靴のため靴擦れしたり、移動の際に衣装が皺になってしまい会場でアイロンを探し回ったり、ボタンが取れたり、ファスナーが上がらなくなったり…と、毎回何かしら問題が起きたものでした。最初は本番直前に着替えていたのですが、ボタンがとれるなどのアクシデントは直前ですとどうにもならなかったので、以後は若干時間に余裕を見て着替えるようにしました。言うまでもなく裁縫道具一式も移動荷物に加わりました(笑)




4.朝イチでいきなり本番と同じ曲を弾く

 上記でお話をしました「手が冷たい時の対策」で最も効果的だったと個人的に信じている解決法が

手が冷たいまま演奏することに慣れる」ことでした。


 朝起き抜け。ベッドから出た直後にピアノに向かい、指慣らしをすることなくいきなり演奏予定曲目を最初から最後まで通して演奏します。最初は上手く弾けなくても全く問題ありません。要するに「手が冷たいまま演奏する感覚に慣れる」ことが重要です。しかもこの場合、前日最後にピアノに触ってから最低数時間は全く指慣らしをしてない訳ですから、本番前にある程度の指慣らしは出来る条件に比べると更に過酷となります。この練習は1日に一回しかできませんので、本番2週間くらい前から始めると充分慣れてくると思います。我が家では日頃からこの様な練習を日課としていましたが、こうすることで突然お声がかかり、いきなりピアノを演奏しなくてはならなくなった場合にも対応できるようになりました。

 ご注意:但し、かなり速いテンポの曲や鍵盤を強く叩く曲をプログラムの最初に持ってきている場合には、冷たい指のまま演奏をすると指を痛めてしまう場合もあります。その場合には通常よりゆっくり演奏をしたり、演奏順序を代えたり、お部屋を成るべく暖めておくなど工夫をする必要があります。指にダメージを与える練習ではありませんので、どうかお子様のコンディションを見ながらお試しください。





5.食べ物や食べ方に関して配慮する

 おやつの食べ過ぎなどで血糖値が不安定になることによる自律神経の乱れが原因で、小さなお子さんがイライラしたり情緒不安定になるということを科学雑誌の記事などでよく目にします。我が家では日頃から甘い飲み物やお菓子の食べ過ぎなどに気を付ける様に心がけました。但しこれもやり過ぎて徹底的にカットしてしまったりすると悪影響が出るということなので、どれくらいが我が子にとっての適量なのかを様子を見ながら生活していました。ま、普通にバランスが取れた食生活をしていれば全く問題ない話なのですが…


 いつもとは限りませんが、場合によっては演奏予定時間が事前に告知されることもあります。その場合には(可能であれば)演奏予定日までに何回かはその演奏予定時間と同じ時間に同じプログラムを演奏しました。これも学校があったり、塾の予定があったりしてなかなか思うようにはいかないものですが、出来るだけ実施するようにしました。


 実際に同じ時間に演奏をしてみて分かることもあります。朝早い時間帯、お昼を食べた直後の時間帯、ちょっと疲れてくる午後遅い時間帯での演奏。コンサートになれば午後10時くらいまで演奏することもあります。演奏時間が変わるとそれに付随する条件も変わってくることもあります。例えば「食事の時間」。特に食後は眠くなり集中力がかなり落ちる傾向がありました。この様に「演奏予定時間での練習」の際に改善の必要を感じた場合には、食べる時間や間食を上手く使って(例えば『演奏2時間前は食べ物を口にしない』等)時間調整を行いました。最も、我が子「モーたん」は緊張の余りコンクール当日は演奏が終わるまで全く食べ物を口にすることが出来ないタイプだったので、逆に無理矢理何か食べさせるのに苦労しました。午後5時くらいの演奏時間だとほぼ1日何も食べてない状態になってしまうので、カロリーメイトやおにぎり、フルーツ等を少しでも気分が落ち着いている時にお願いして食べて貰ったりしました(笑)


 面白いもので、このような一連の行動&努力を積み重ねたことにより良い結果が出たりすると、その後は験(げん)を担いで同じ行動を繰り返すようになるので楽になるのでは…と思います。先ずは「我が家ならではのルーティーン」を見つけてみて下さい!




6.色々なピアノで演奏する

 通常コンクールでは本番に演奏するピアノに実際に触れる機会が設けられていることが多いかと思います。20分くらいあれば本番の曲を通して演奏できるかもしれませんし、10分くらいですと気になる部分だけを抜粋して演奏することになるかもしれません。大規模なコンクールやオーディションの場合には演奏前に本番で弾くピアノに触れることが出来ないことも多いので、本番で弾き始めて「鍵盤が戻ってこない!!!」とパニックになったこともありましたが、ま、これは極めてレアなケースでしょう(…と願うしかありません💦)


 本番で使用するピアノに触れられなかったとしても焦ることが無い様に、日頃から出来るだけ多種多様なピアノに触れておくことを強くお勧めします。学校にピアノが複数台ある場合にはアップライトを含めて弾かせていただけると良いですね。後は楽器屋さん、宿泊施設のロビーや宴会場、公共施設、駅地下などに設置されているストリートピアノ、お友達のピアノをお借りしたり、ピアノの先生がいくつかピアノを所有されていらっしゃればお願いするのも有りかと… 電子ピアノもこの類の練習にはとても役立ちます。つまり「弾き慣れていないピアノで演奏することになっても、いつもと同じレベルの演奏をすることができる」様に訓練することが目的。グランドピアノ、アップライトや電子ピアノで演奏すると鍵盤の重さや戻り方、ペダルの利き具合、ウナコルダを使用する曲を選んでいる場合にはピアノに付随しているペダルの塩梅でウナコルダが全く利かなかったり、そもそもウナコルダを弾く為のペダルがないピアノもあったりするので、そういう場合の対処も身につけておく必要があります。


 コンクールの場合、ピアニストは全員が与えられた同一のピアノで演奏する為、同条件下で演奏できるという意味では公平ですが(「午後遅い時間のピアノは午前中に比べてへたってくる」という話もありますが…)、一方で自分の弾き慣れたピアノで演奏することが叶わないという意味では、大変過酷な条件で常に最高の演奏を求められるという、他の多くの楽器に比べて全く公平性に欠ける面もあります。ピアノが自分の望むような音を出してはくれなくても全てはピアニストの責任であり、聴衆に対して「これはピアノが悪いんです!」と言い訳をすることも出来ません。「与えられたピアノに即座に合わせ常に自身最高の演奏が出来る練習」は残念ながらピアニストにとっては必要悪なのかと思います。




7.リハーサルで練習するパートを決めておく

 コンクールの場合、本番で演奏するピアノを試し弾きする時間が設けられていることがあります。この場合の準備として、リハーサルの時に弾く以下の様なパートを予め決めておくことをお勧めします。


一番大きな音が出るパート

一番小さな音を弾くパート

ペダルを多用するパート(特にメロディーを奏でる部分)

一番テンポが速いパート(音が多いパート)


 現場に行ってから「一番早いパートってどこだっけ…?」と探していると直ぐに練習時間は過ぎてしまいますし、参加者が多いコンクールでは文字通り「試し弾き」のみで10分くらいしか時間が貰えないこともあります。全曲通して弾く時間など無いことが大半ですし、全曲通して弾ける時間があったとしても、運悪くリハの際に間違ったりするとその小さなミスを本番まで引き摺って余計に不安になる場合もあります。ですので、時間があろうが無かろうがリハーサルでは部分練習に徹する方が無難かと思います。


 お子様がステージ上のピアノに座ったら、上記の様なパートを次々に弾いてもらい、親御様は会場内を移動しながら音の聞こえ具合をチェックして下さい。家で練習している時の音の反響は会場のものとは全く違いますし、また、リハーサル時の人がいなくてガラーンとした状態と聴衆が入った場合とでも音の反響は全く変わってしまいます。「どれだけ会場での音の反響を計算して演奏できるか」というのは直接点数に響く重要なポイントです。ですので、親御様は先ずは審査員席で音を聞き、そして会場の左右の壁際や最後列…と移動しながら、「ペダルが多すぎて音が濁っていないか」、繊細な音が続くパートであれば「その微かな音は会場の隅々まで綺麗に聞こえているか」を確かめ、それをお子様に伝えてペダルの踏み方や音量を調整されると良いかと思います。


 特に初めて大きな会場で演奏される場合は、自分が弾いた音が若干遅れて離れた所から聞こえてくる感じがするので慣れるまで弾き辛いかもしれません。それに慣れる為に大きな会場で演奏できるチャンス… 例えば腕試し用のコンクールや発表会に参加したり、学校のホールでの練習(お昼休みや放課後に演奏させてもらったり)等の機会を『本命コンクール』の前に作っておくことが出来れば完璧です!




8.動画を撮る

 これはもう既にされていらっしゃるご家庭も多いかと思いますが、是非コンクール&発表会前にはお子様の演奏を録画して差し上げて下さい。この「我が子の演奏コレクション」は、後に親御さんの大切な宝物になること請け合いですが、それだけではなく規定演奏時間を超えていないかの最終チェックにも役立ちます。いや、でもこの最後の土壇場で「規定演奏時間の超過」が判明しても遅すぎるんですが…笑。他にも、その録画をお子さんと一緒に見ながら「ここはこうした方が良いかもね?」と今後の演奏の上達に繋げることも出来ます。ピアニストは… 当たり前ですが会場で聴衆として自身の演奏を聴くことは不可能ですし、ホールの座席で演奏を聴くとどういった音として聴こえるのかを知る機会を設けるのは大切だと思います。


 実はピアニストは「指で音を聞く」というオカルトなことを平気でこなすと言われており、それ故に「ピアニストは音を聞かない(聞かなくても弾ける)」とよく話題に上ります。もう慣れてくると、台所でカレーを作りながら子供の練習を聞いたとしても「こ~れは全く音を聞いていないなぁ~(怒)」と直ぐに分かるようになります。これは我が家だけかと思いきや、上級者になっても同じようで、音大の『お兄ちゃん&お姉ちゃん』達も先生から「何度言わせるの!音を聞きなさい!!」とリハーサル会場で怒鳴られているのを何度も目撃しましたし、プロのピアニストの方々からも「いつも録音するようにしている。うっかりすると直ぐに音を聞かなくなってしまう」と伺いました。ピアニストの方がこれなら、アマチュアは推して知るべしですね!


 そんな悪い癖のリセットにも一役買う「動画を撮る」「演奏を録音する」作業を日頃からルーティーンとして練習に導入してみて下さい。




9.お辞儀の練習をする

 「お辞儀の練習?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はコンクールでもコンサートでも演奏は『お辞儀に始まり、お辞儀に終わる』です。ま、実際に文字通りにそうなので、敢えて語気を強めていうほどのことでもないのですが…(笑)


 実はこの一見簡単な「お辞儀」なのですが、コンクール等を数多く見てくると、演奏者のお辞儀を見ただけで結果発表前に入賞者を言い当てることが出来るくらい演奏内容とお辞儀は深い関係があると感じます。それもその筈。

 上位入賞常連組は殆どの場合「場数を踏んでいるその道の達人」

指で長いスカートの裾を軽く持ち上げる様にして優雅に歩を進め

ヒールのある靴にも関わらず足元を気にする素振りもなく視線は真っ直ぐにピアノを見据え

少し微笑みを浮かべ、エレガントに、そして流れるような歩みでピアノの横に立つ。

その視線を会場の左から右へ…そして2階がある場合には上層階の聴衆にも万遍なく視線を注ぎ、

そこにいる全て聴衆からの注目を一身に集めたことを確認しながらゆっくりと深くお辞儀をする…


 どれだけ緊張で心臓がバクバクしていようとも、演奏で大きなミスをしてしまい、もう全てを投げ打って楽屋まで泣きながら走って帰りたいという衝動に駆られようとも、そんなことを微塵も感じさせることもなく聴衆を魅了する微笑みを湛えながら優雅にお辞儀をする…

これが出来ればはっきり言って仙人の域です。

 モーたんが音楽学校入学直後から何度も何度も練習させられたのがこの「お辞儀」。演奏がメタメタ&ヨロヨロでも怒られることなどありませんでしたが、お辞儀の際に緊張で顔が強張っていて目が笑っていなかったり、演奏中の大失敗を引き摺ってしまい泣きそうな顔でお辞儀をしたりということがあると、舞台裏に戻って来るや否や(「as soon as」ですね。笑)小学校低学年の時であっても容赦なく怒られ、その後何度もお辞儀の練習をさせられました。その時は「『絶賛落ち込み中』の子供に容赦ないなぁ~」と驚きましたが、それから多くのコンクールを見て回る中で、お辞儀の素晴らしいピアニストさん達は、舞台に登場してから演奏前のお辞儀に至るまでのその所作の美しさから、鍵盤に指が下ろされる前から既にその演奏レベルの高さを感じさせる空気感を創り出せるのだと確信しました。最初の音が出る前から「この人は本物だ!」と感じされることが出来れば、スタート前から10ポイントくらい加算されているようなものです。これは絶対に有利です!


 ピアノの練習を疎かにしてお辞儀の練習だけをする…という訳では勿論ありませんが、演奏を始める前からオーラが出ているようなカリスマ性を身につけるということは、数多くの挑戦者がいる中から頭一つ抜きん出るには必要なことだと思いますし、そんなプロ並みの洗礼された所作が身に着けば、それに伴い演奏力も上がってくるのだと感じます。


 お辞儀は本当に点数に反映します。「たかがお辞儀。されどお辞儀」 格好いいお辞儀で聴衆の方々を魅了して下さい!




10.曲の途中から弾き始める

 ピアノの練習をする場合に、曲の最初から流すタイプの方や、部分練習を重点的にするタイプ等、ピアニストさんによって練習パターンが何となく決まっていることが多いかと思います。退屈な練習を自分なりに工夫して毎日コツコツ続けるために一定のルーティーンがあるのは当然で、それは全く問題がないのですが、ことこれがコンクールやコンサートに向けての練習となった場合は間違いなく「曲の色々な箇所から弾き始める練習をする」ということがアドバンテージになると思われます。


 部分練習をする場合、その部分練習を始める個所はある程度決まっていることが多いかもしれません。「ここから難しいパッセージになるから、じゃ、その数小節前から…」と言うのが一般的。(…多分。笑)後は先生から「あ、またそこ間違ったね。じゃ、もう一回そこから弾いてみて。」と言われると、そのポイントが新たな「部分練習スタートポイント」になることもあるでしょう。実際、曲が長ければ長いほど難しい箇所を重点的に練習するのは道理なのですが、これがコンクールで落とし穴になることがあります。


 緊張をしているとうっかり指を滑らせてしまったり、また跳躍で半音ズレて鍵盤に着地してしまったりと、日頃全く問題がなかった部分で「頭真っ白。ほぼ演奏中断状態」になるくらいのミスに繋がることがあります。日頃から様々な箇所から部分練習をスタートさせていた生徒さんは、そのミスした部分からから一番近い「部分練習スタートポイント」に瞬間移動して、何事もなかったかのように演奏を続けることが出来ますが、「部分練習スタートポイント」を余り持っていなかった生徒さんは、そこから一番近いポイントがまだまだ先であったりすると曲の大半を飛ばすことも出来ず、思い出すまで何度もその間違った部分を弾いたり、曲の最初から弾きなおしたり…といった悲劇が起こることもあります。


 部分練習を、フレーズの途中から敢えて弾き始めるのは気分が乗らないし、弾き辛いこともあると思います。ですが、コンクールの事だけでなく、将来的に複数人で演奏する室内楽や伴奏、或いは協奏曲になってくると、「ミスをしたから」「分からなくなったから」と言って演奏を止めてしまうことなどできません。将来の勉強も兼ねて、日頃からなるべく様々な箇所から弾き始められる練習を続ければきっと役に立つことがあると思います。











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